施設入所を説得できない!?前向きに老人ホームへ入所できるための方法の提案
親の介護で施設入所をしたい。でも、本人が納得いかず、施設は検討していないと最初から否定的で検討の段階にも入らない。
そんな施設入所をめぐる悩みは尽きません。
最初から施設に納得して入られる方は半分もいないです。
特に認知機能が低下しておられると理解力が乏しく、建設的な話ができないことが多くあります。
施設入所を拒む家族を一発で納得していただく魔法の様な言葉はありません。
この問題は多くの方が困っているので様々な所で相談されています。
この記事は施設入所を納得していただく言葉はありませんが、施設を拒否する気持ちを汲み取りながら、入所へ前向きな気持ちになっていただくことができるような方法を説明しています。
ケアマネジャーとして長く在宅支援をしてきた経験を活かしてアドバイスを記事にしていますので参考にしてみてください。
施設入所がいや!!なぜ否定的になるのか?
- 施設にいいイメージがない。
- 人の世話になりたくない。(施設に入ったら人の世話になると思っている)
- なんとなく施設に入ったら終わりだと思う。
- 今の暮らしを手放したくない。
→友人関係や畑仕事や自分の役割 - 今まで家を守ってきたので家を留守にできない。
施設に入りたくないと思っている理由は人によって背景や理由があります。
この背景や理由を確認することが納得への近道です。
- 施設への否定的な思いを確認する
- 施設入所を拒否する気持ちを一度受け入れる
施設入所へ向けてアプローチ方法
後ろ向きな理由の整理
第一に施設入所を否定する理由をしっかり聞いていきましょう。
施設入所を否定する背景を詳しく聞いたら整理していきましょう。
しかし、施設に入る時に様々な理由をつけて入りたくない方が多数派です。
理論的に解決策や代替案を提案しても、そもそも受け入れられない場合の対応が実は一番相談も多く、困難です。
情報を整理して相談する
施設に入りたくない理由や気持ちを聞いたら他者へ相談しましょう。
- ケアマネジャー
- 医師
- 病院のソーシャルワーカー
- 地域包括支援センター
これらの機関は、相談しながらこれからの対応や対策を一緒に考えてくれます。
特にケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談すると幅広いサービスを提案していただけます。
施設入所までの期間の在宅生活も支える計画の相談に乗ってもらえます。
ケアマネジャーや地域包括支援センターへの相談は無料なので遠慮なく相談してください。
入院中であれば病院のソーシャルワーカーや医師との相談も有効です。
入院中に本人へ施設の利点等を説明していただくことも可能です。
相談後の動きの一例
サービス調整で施設入所へ向かっていく場合
- 家族の困るポイントの整理
- 在宅で生活できるための情報の整理
- 在宅サービスの開始
- サービスに慣れて施設へ
手順例に沿って説明していきます。
家族の困るポイントの整理
家族側がなぜ施設に入ってほしいかを具体化していく事もあります。
- 食事
- 排泄
- 入浴
- 薬の飲み忘れ
- 物忘れ
- 認知症の悪化
- 迷子
一例ですがどこに困るかを確認していくことがあります。
在宅で生活できるための情報の整理
家族や本人の困りごとに焦点を当てながら課題を確認していき、施設入所までは自宅で生活ができるようにサービスを調整します。
在宅サービスの開始
- 例えばデイサービスを利用することで世間体が気になる、高齢者ばかりの中に入りたくないから施設は嫌だと思っている場合、徐々にその気持ちが薄らいでいくことも多いです。
- 訪問介護を利用していくことで、人の世話になりたくない思いも和らいでいく場合があります。
このように、サービスの利用をしながら徐々に施設へのハードルを下げていくことが多いです。
サービスに慣れて施設へ
このタイミングでサービス利用を行い、介護サービスへのハードルが下がっていますので施設入所が以前よりスムーズに行えることが多いです。
- 施設入所がいきなり難しければ他のサービスを導入して支援に慣れていく。
- 在宅生活が支援を受けることで安定していれば施設入所の検討をやり直すこともあり。
施設見学からイメージを変えていく場合
施設へあまりいい印象を持っておられない方も多いです。
ケアマネジャーへ相談することでその方へ合った施設を紹介していただけることも多いです。
また、ケアマネジャーへ相談しなくても施設は見学が自由にできる場合がほとんどなので、見学をすることでイメージを変更できることもあります。
入院から施設への説明
入院中であれば病院ソーシャルワーカーへ相談することで施設入所の検討をすることができます。
ソーシャルワーカーは入院中の様子から自宅の生活の中で不安な点などを把握されていることも多いです。
自宅の生活が難しいようであれば転院や老健の入所を提案していただけることもあります。
施設をそこで経験しておくことで今後の施設入所へのハードルが下がることも多いです。
- 入院中は病院のソーシャルワーカーと相談していく。
- 転院や老健の利用で施設入所のハードルを下げる。
施設入所への家族の思いを伝える
施設へ入所してほしい思いについて本人へ伝えることをしてみましょう。
施設に入って人に迷惑をかけたくないと思っていることと同様、家族にも迷惑をかけたくないと思う方もおられます。
ストレートに家族側の考えを伝えることが有効になる方もいますよ。
- 一人では介護が不十分で心配なので入所を検討してほしい。
- 薬が確実には飲めず健康に不安があるので心配している。
- 歩行状態が不安定になっていて転んでしまって動けなくなったら心配
様々な思いがあると思いますが、根本的には心配しているという気持ちがメインとなっているはずです。
心配しているということは、悪くなってほしくないと言い換えもできます。
思いを伝えて施設入所をすすめる説明の材料にもしてほしいと思います。
まとめ
施設入所へは様々な理由がありスムーズに入ることができないケースはかなり多いです。
そのため、様々な相談をしながら時間を使って考える必要があります。
結局、拒否が強い方へすぐ施設へ入ってもらう方法はないので相談しながら時間をかけて進めることが一番の解決策となりそうです。
もしできるのであれば、施設の資料請求をしたり、施設を調べて用意することもこれから活かしていけるのでぜひ、焦らず進めてほしいと思います。
様々な相談をしながら今後の施設選択や施設入所のためのアプローチに活かしてほしいと思います。