ケアマネこそICTを活用!導入を悩む会社や上司への対応方法を具体的に解説
- 会社でICTのツールをうまく活用したい。
- 上司や同僚がICTに詳しくなくて導入したいが難しい。
この記事では、そんな悩みを解決できるように具体例を紹介しながら導入へ向けていけるように解説しています。
ICTで業務の効率化、コストの削減ができます。
メリットが多いので使わない選択肢はないですよね。
ICTを使おうと思って調べていると思います。これからのケアマネのICT化をぜひ進めてほしいです。
ICTを活用していく先には、
- AIを活用
- 連絡を電話中心からメールなどへ
- FAXをメールへ
- 紙からデータ保存へ
- オンライン会議、オンラインモニタリング
このような将来を見据えていると思います。
この記事では、ICTを導入したいが、上司や同僚が協力的でない場合に、どうやったら受け入れてくれるのかを具体的に説明しています。
この記事を読めば上司や同僚などへアプローチでき、徐々にICTが浸透できるように解説しています。
ICTの活用を実際に見せて前向きになってもらう
ICTの活用がどの程度効果的かを実際に見てもらい実感してもらうことが重要です。
効率化やスピード感を感じることで導入に前向きになることもあります。
ICTの簡単さをアピール
ICT機器が苦手な方は「難しい」「なんだかわからない」といった苦手意識を持っているものです。
この「難しい」「なんだかわからない」の正体は【使ったことがない】に対しての感情です。
これから使おうとするものが、難しそうだと最初から諦めそうですよね。
「難しそう」「わからない」を解消するためには簡単さをアピールすることが重要です。
まずはLINEやEメールなど、普段から使用しているものを導入して業務に取り入れていくことから始めることが有効です。
まずは業務にEメールやLINEを取り入れてみましょう。職員同士のやり取りなどがスムーズになることを実感しましょう。
業務の効率化を実感できるようにする
LINEやEメールを使用することで業務を効率化できることを実感していきましょう。
例えば、今まで引継ぎのノートなどを利用していた場合、引継ぎ内容をLINEで送信することで全員に伝達できます。
LINEだと既読もつくので管理しやすいですよね。
- 介護保険証の写真を撮ってもらってLINEで送ってもらい確認
事業所によっては一度持ち帰ってコピーして、また持っていく所もあります。そういった手間が解消します。
導入後のフォローを見せていく
ICTの導入がなんだか難しいと思っている方は、一つ一つのICTの操作に不安があります。
その都度、操作が正しいことを伝えるフォローが重要になります。
フォローのコツですが、送信する文が作れたこと、EメールやLINEが送れたことなど少しづつできたことを確認してフォローできる環境を作っていきましょう。
フォローがあると苦手意識が徐々に和らいでいきます。
一つ一つの操作が正しくできている自信を持ってもらいながら進めていくことで、ICTの苦手意識が少なくなります。
ICTの一部分ずつ導入して効果を実感していく
最終的な理想系を意識しつつ、段階的に効果を積み上げていくことで理解を得られるようにする方法もあります。
ケアプラン的に言えば長期目標と短期目標ですね。
例えば、最終的にLINEで利用者や家族とやり取りをしたいが、前例がないと言われる場合。
- 利用者や家族とではなく、事業所内で連絡をやりとりしてみる。
- 利点や問題点を洗い出していく。
- 関係事業所で連携してみる。
- ある程度うまくコミュニケーションができるようになれば家族へ。
このような流れで徐々にLINEを使っている【前例がない】ことへの漠然とした不安感を払拭していくと効果があります。
ある程度、労力も必要で、作戦も必要なのでケアマネ業以外に余計な仕事になってしまうかもしれません。
しかし、ICT化のために必要な労力です。
この労力をかけた先には効率化があるのでそれを目指してやってみてください。
他社のICT導入事例を例に出し実践していく
他社の導入事例には2種類あります。
- 近隣の事業所の成功例
- 雑誌やネットなどで公開されている成功例
どちらの成功例や事例などを用いても良いです。
簡単なことなら近隣の導入事例を。
周りがやっていない高度なことは雑誌やネットを参考にするといいですよ。
近隣事業所の導入事例を例に実践する場合
近隣の事業所を参考にする場合は情報を取りやすいメリットがあります。
- 不安と思う部分の解消法
- 活用事例の具体的な方法を聞ける
- 直接聞ける安心感
- 他の事業所がやっているという安心感
ICTの使用が苦手な管理者や上司の場合、知っている事業所が導入していると知るだけで安心感が湧くこともあります。
「あの法人がやっているから。」この一言で、すんなり導入することもあるので不思議なものです。
人がやっているというのは不思議と安心感の材料になるので活用していきましょう。
近隣の付き合いがある事業所が導入している事例などがあればそれを取り入れていくことが近道であり、おすすめです。
雑誌やネットの導入事例を参考にする場合
雑誌やネット記事を参考にする場合の利点は近隣の事業所が導入できていないことを先駆けてできるようになることです。
導入する際の参考より”ICTをどう使えば効率的になるのか”の参考になることの方が多いです。
上司が前向きでない場合は導入のために説明する必要があります。
活用していく上で、ルールを自分たちで決めたりする必要があります。
上司や同僚がICTの導入に前向きであれば効果的ですが、苦手意識が高いと、導入へのハードルが高いです。
結局、聞く場所がない、前例がない。で不安になることが多いです。
結果的に、雑誌やネットの情報はある程度ICTを導入してから目指す方がいい場合もあります。
ICT化によるセキュリティ不安はルール化で対策
セキュリティーの不安から、情報漏洩に敏感な方はとても多いです。
- ハッキングにあったらどうしよう。
- スマホを落としたら全部の個人情報が流出してしまう。
このように、ITの取り扱いに慣れないとどうしてもその不安が大きくなります。
不安を解消するために、セキュリティールールの取り決めが必要不可欠です。
ICT機器取り扱いのルール化
ニュースなど報道に出てくる情報流出パターンとして多いのが、「USBメモリからの流出」です。
個人情報のデータをメモリに入れていたが紛失した。どこにいったかわからない。などの報道が多いです。
情報漏洩の原因を調査した結果です。
情報漏洩の8割以上を人のミスが関係しています。人がミスするのは仕方ありませんが、そのルールを決めて守っていくことで情報漏洩が守られます。
結局、取り扱いを徹底していくことで防ぐしかありません。
USBメモリは持ち出し禁止にして対策をするところが多いですよ。
機器から情報流出はハッキングより、人が落としたり無くしたりすることで発生します。
電子機器であろうと、紙であろうと取り扱いは慎重にする必要があります。
紛失などの情報流出に関しては「電子機器だから」ではなく、取り扱い方法が守られていないから情報流出します。
「紙」「電子機器」どちらも扱う人次第な部分は大きいです。
「電子機器だから紛失リスクが高い」は思いすごしの部分もありそうですね。
パスワードの取り扱いのルール化
【パスワードの漏洩】は取り扱いが不十分で情報漏洩するパターンが一番多いです。
結局、ハッキングよりも、パスワードの不適切な管理から漏洩していくため、パスワードの管理を慎重にしていく必要があります。
- 紙のメモで管理
- 同じパスワードを使い回す
- 推測されやすいパスワードを使う
- パスワード入力時の手元を見られる
漏洩の多いパターンを参考にしてルール作りをしていく必要があります。
ほとんどの情報流出はパスワードの管理ミスから起こっているのでパスワードの保存に一定のルールを設ける必要があります。
紙に残すことにしてもその取り扱いを決めていきましょう。
災害時の不安感を払拭
ICTを不安視する中で、災害時はどうするのかが話題に上がることがあります。
- 施設の電気が止まったら見られない
- 火事で全部のデータがとんでしまったらどうしよう
- 水害でパソコンが動かなくなったらデータが消える
実際にそのような状況になればデータのことを気にしている場合ではありませんが、平時の今であれば気にされる方は気にします。
電気がなければパソコンがつきません。ノートパソコンなら動きますが、wifiが切れていてネットワークにつながっていないと思います。
電気が止まっている時にケアマネが書類を作ったり、記録をしたりする必要性が想定できません。
スマホがあれば「テザリング」で動かすことができますが、そのような状況でもないと思います。
この状況で想定できることは、利用者の安否確認のために電話をする場合です。
この場合はスマホの電話帳を使いましょう。
または、連絡先のデータをGoogleドライブやドロップボックスで運用することでアクセス可能です。
火事になったらスプリンクラーなどで機器が水没することがあります。水没によってパソコンが使えなくなることがあります。
水害の水没も同様です。
しかし、今の介護ソフトデータのほとんどは【オンラインストレージ】に保存されています。
パソコンが変わってもログインすれば同じデータが現れるので今まで使っていたパソコンが壊れてもデータは残っています。
自分たちが使っている介護ソフトが【オンラインストレージ】を使用しているかなど知っておく必要があります。
その他のデータもGoogleドライブやドロップボックスを利用すればパソコンが変わっても全てのデータにアクセスできます。
パソコンが壊れてしまってもオンラインストレージに保存してあればデータは無傷です。
火災や水害は紙で保存してある資料の方が被害が大きいと思われます。
データの方が紙での保存より優れています。
ICT導入によるコスト削減効果を強く伝える
ICT機器を使用することでコストは大きく下げることができます。
この効果を計算して伝えてみることで効果がある場合もあります。
郵便料金の費用の削減効果
2024年10月から郵便の料金が値上げになりました。
2024年
これをEメールにすることで費用はかからなくなります。
25gを1通では26円増ですが、送る人数が増えれば増えるほど削減効果は上がります。
経費削減の観点で一番費用がかかり、わかりやすい削減効果がでる部分は郵便ですので一度計算してみることも良いです。
郵送しなければならない書類はこれを機に見直すいいチャンスですよ。
印刷費用の削減効果
現在はペーパーレス化の波が全国的に広がっています。しかし、ケアマネの世界では今だに紙が主流でFAXも多いです。
毎月の利用票、提供票だけでもかなりの枚数ですよね。
Eメールを利用してペーパーレスでやりとりできるようにするだけで印刷コストは大きく下がります。
一度、ルール化すればあとは難しくないので印刷費用の削減効果もアピールできるポイントとなります。
移動コストの削減効果
EメールやLINEを活用することは移動の時間とコストを削減することにも繋がります。
燃料の値上がりが進む中、移動コストが減少すると、直接経費の削減に繋がります。
移動時間を少なくすることはすごく重要です。配らなくていいのはすごく時短できますね。
時間を作ることで他の仕事をすることができるようになり業務の効率化が目指せます。
こういった細かい時間の節約をしながら時間を作っていくことで担当件数を増やしたり、自分の余裕を作れます。
このような様々なコストの削減効果を訴えることで経費を減らし、ICT導入へ導いていくことができます。
ICTが活用できる会社への転職
上司がICT化への興味がない。導入する気がない場合も多いです。
ICT化のためにアプローチしても変わろうとしない会社は将来的に経営が難しくなっていくと考えられます。
- 担当件数を増やす
- 仕事量増加
- 業務時間増加
- 気合いで乗り切るか、一件の関わり時間を少なくする
現実には無茶ですが、実際にかなり多くの事業所がこれなことも現実です。
これからケアマネとしての能力を向上していくためにはICTは必要になります。
ICT化を進めている会社へ転職することも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
ICTへの意識が高いケアマネはどこもが欲しい人材です。転職で年収増も狙えます。
ICT化へのまとめ
ICT機器などを導入に向けて、上司へ説明するために必要な方法を紹介してきました。
現場では【あるある】な事柄を例に出していますので参考にできる部分はぜひ参考にしてみてください。
ケアマネの業界はこれからどんどんICT化が進んでいきます。
逆に言えば、今からICTの感度を高くし、導入へ踏み切ることはかなり進んでいます。
自信を持って、乗り遅れないように色々と試行錯誤してみてください。
今の段階でICT化を考えている人材はどこの事業所でもやっていけます。
そしてどこの事業所でもほしい人材です。
ケアマネとしてこれからの業務を効率化するために必要なICT化を検討しつつ、自分のケアマネとしての働き方も考えてみてほしいと思います。