ケアマネがスキルアップのために狙うべき資格を解説。実務に役立つポイントも説明。
ケアマネジャーは広範囲の知識が必要なことを実務の中で感じます。
しかも、すべての利用者に当てはまるわけではなく、個々の状況によって使っていく知識が変わります。
ケアマネはその性質上、知っておくべき知識がどんどん広くなり、何を知っていればいいのか、どんな研修を受ければいいのかなど、迷うことがよくあります。
正直、勉強しようと思って研修に参加したものの、すでに知っている内容や役に立たないないような研修も多いですよね。
この記事ではケアマネとして、どのような知識を得るべきか、それが活用できるか、報酬に関係するかなどを紹介しています。
この記事では、現役ケアマネの私が実際に勉強して効果があったものを厳選して紹介しています。
これですべての知識が賄えるわけではありませんが、役立つものを勉強することで効果的に実務に活かせると思います。
研修参加でガッカリすることも減らし、効果的な学習をしながら知識が増えるようにこの記事を読んでみてください。
- 社会福祉士
- FP3級
- 主任介護支援専門員
- 認知症ケア専門士
ケアマネのスキルアップの方法
民間研修の参加
- 民間の研修等の参加で興味のある事柄の知識が得られる。
- リアル会場の研修であればケアマネ関連の研修であれば仲間が見つかることもある。
- 興味のある分野などの研修に偏ることがあるので自分で広い視野を持って受講をしていくことが必要。
- 費用や時間がかかるため負担感がある。
- 研修内容に善し悪しがある。
ケアマネ更新研修の受講
- 法定研修であることで研修内容が担保されている。
- 自分の苦手分野などを含め介護支援分野を幅広く学ぶことができる。
- 資格更新のため休むことが許されない。
- 強制参加のため苦手分野や得意分野も参加する必要がある。
- 費用が高いことが多い。
- 最低限の研修内容が担保されているが、何度も受けた方にとっては低レベル。
- 研修時間が長く、業務に支障が出る地域も多い。
- 地域によっては会場研修しか選択肢がなく、遠方まで通わなければならない。
民間資格の受講
- 興味のある分野の資格を取得することができる
- 学んだことが資格という形になる。
- 高価な民間資格が多い。
- 開催場所が限られる資格が多い。
- 資格を得ても年収アップに繋がることが少ない。
国家資格の取得
- 収入に直接影響する場合がある。
- 転職に有利に働く。
- 得られる知識量が多い。
- 資格取得の難易度が高いものが多い
- 受験資格があるものがあり受けられないものも多い。
資格取得後の年収の変化
基礎資格「介護福祉士」の私が取得した中で価値があったと思っている資格の収入アップに関して紹介します。
主任介護支援専門員
一般的に管理者になれば基本給が上がり、役職手当がつきます。
一般的な目安の金額は
資格手当 5000円~5万円
役職手当 1万円~5万円
事業所によって大きく異なる部分です。
社会福祉士
国家資格ですので資格手当がつく場合があります。
事業所によって異なりますが一般的に
3000円~1万円程度の手当がつくところが多いです。
ケアマネジャーをしているのでケアマネジャーの資格手当を受けているとのことで資格手当がもらえない事業所もあります。
FP3級
FP3級は国家検定です。これを持っていることで資格手当を受けることはできません。
事業所としてはメリットもなく、昇給や年収アップに直接影響しません。
直接影響しませんが、実務にかなり役立つ知識が得られます。
ケアマネと関係ないようですが、本当に取ってよかった資格です。
この資格の知識があるおかげで一般的な相続や保険、家の価値などの話などがわかるようになりました。
この知識があることで業務がスムーズに進めることができると思います。
結構相談を受けたときに答えられるようになるので頼られます。
認知症ケア専門士
民間資格でありますが試験を受ける必要があります。
これを取得することで年収に直接アップすることはありません。
色々調べましたが、資格手当をつけている事業所を見つけることができませんでした。
ケアマネとして年収を増やすための方法
ケアマネとして働いていても年収も上げたいと思われる方も多いです。
スキルアップすればそれに見合った報酬をもらいたいものです。
年収を増やしていくための方法をまとめていますので参考にしてください。
資格手当、昇進
- 主任ケアマネの取得
- 国家資格を取得
(社会福祉士、看護師、精神保健福祉士、介護福祉士等)
今の会社で給料を上げていくための方法となります。
昇進は席があるかの問題もありますのでタイミングです。
国家資格の取得は手当がつくので一番確実な方法です。
実績をあげる
- ケアマネとして件数を持つ
- 自法人のサービス事業所に利用者を紹介する
実績を上げることで給料を上げたりボーナスで支給してもらうことが可能です。
しかし、法人によって対応が様々なので確実ではない事が多いです。
転職
- ケアマネとして他法人への転職
- 介護福祉士や社会福祉士、看護師等への転職
転職が年収を大幅にあげることができる最もおすすめな方法です。
自分の実績や経験を活かして転職することができれば年収をあげられます。
会社への賃金交渉
転職を考えない場合は会社へ賃金交渉をすることで収入を上げることができるかもしれません。
ケアマネは交渉のための収益が計算しやすい仕事です。
自分がいくらの収益を得られているか計算してみましょう。
自分がいることで会社への利益をもたらしている金額が計算できます。
単純に利用者数が多ければ収益が多いので自分のスキルアップをして多くの人数を担当できれば賃金交渉が有利になります。
ケアマネの実務を楽にしてくれるポイントを資格別に解説
社会福祉士
- 制度に精通しており広い視野で支援ができる。
- 利用できる制度を広く知っているため、利用者のニーズに合った制度を適切につなげられる
- 今受けている、これから受ける制度の内容を広く知っているため支援がスムーズ
- 誰に何を相談していいかが広い視野で検討できるので悩むことが少ない。
FP3級
- 相続などの税金などの流れが理解できるため家族の思いなどが汲み取りやすい。
- 不動産などの知識がつくため施設入所後の相談や相続などの一般的な説明ができる。
- 不動産、相続・贈与、年金、税金などが試験内容であり、高齢者と密接に関係している項目が多く、知っていることで説明ができる。
主任介護支援専門員
- スーパービジョンの学習をすることで育成の視点が養える。
- 他者のケースを通じてスーパービジョンを行うため、自分の支援の能力が向上する。
- 主任介護支援専門員に関しては人によっては実務を楽にしてくれないデメリットと捉えられてしまう項目があります。
- 資格が更新制で5年に一回、研修を受けて更新する必要がある。
- 居宅介護支援の管理者要件のため管理者として雇われる可能性がある。
認知症ケア専門士
- 認知症に特化したケアを学ぶことで認知症の理解を深められる。
- 認知症のケアのための支援をプランに具体的に位置付けられる。
ケアマネのスキルアップのためのおすすめ資格ランキングとおすすめポイント
1位 社会福祉士
- 実務ルートで取得するためにはケアマネ実務5年、通信講座を受けて受験資格を獲得。その後国家試験。
- 今回オススメする中でハードルが最も高く、費用もかかりますが、この資格は取得して良かったです。
- 取得ハードル以上に自分の知識を広げ、仕事のために役立っていると実感しています。
- 介護福祉士や看護師の基礎資格の方が今後、ケアマネをやる上で知識を広げるためにぜひ受けてほしい資格です。
受験資格までは実務経験ルートで
相談援助職4年(ケアマネ経験等)、養成校にて9ヶ月〜18ヶ月の通信講座を経て試験が受けられます。
私は社会福祉士の国家試験対策にこの講座を使いました。
社会福祉士の受験資格取得のための通信講座はコチラ
2位 FP3級
- ケアマネとして実務をする上でお金のことはかなり出てきます。
しかし、福祉系の試験や研修ではお金の講義や研修はかなり少ないです。 - 相続や年金、税金、不動産について知っておくことで他のケアマネと差別化でき、利用者や家族からも信頼できる知識が得られると思います。
- FP3級は合格率80%を超える試験です。また、保険分野に介護保険をはじめケアマネの試験の際に勉強した内容が含まれます。そのため、資格取得のハードルが低いのでぜひ挑戦してほしい資格です。
- 2024年4月からCBT方式で試験が受けられ、一年中、お近くの試験センターで試験が受けられます。資格取得が簡単になりました。
FP3級は独学で十分合格可能な資格です。
YouTubeなどを活用して資格取得を目指してください。
YouTubeは「ほんださん/東大式FPチャンネル」がわかりやすくオススメですよ。
3位 主任介護支援専門員
- 全国的に主任介護支援専門員は不足しており転職に有利です。
転職を考えるのであれば最も強力な資格になります。 - 資格取得は5年の実務経験と研修のみで実務経験があれば資格取得のハードルは低いです。
- デメリットの更新制を受け入れられるのであればスキルアップに取得してほしい資格です。
受験資格はケアマネの実務経験5年があれば受講できます。
試験はなく、研修を受講すれば主任ケアマネの資格を取得できます。
4位 認知症ケア専門士
- 認知症のケアの知識が得られます。
- 施設ケアマネやグループホームなどで働く場合は知識として持っておくことはとても有益だと思います。
- 介護福祉士に転職する場合には知識として有効です。
まとめ
ケアマネは資格取得が難しいわりに低賃金と言われています。
また、仕事内容も複雑です。
制度改定の度に複雑化していく中で自分のスキルをあげていくことで仕事で迷わないようにしてほしいと思います。
今回は利用者のニーズも多様化している中で実際に自分が取得した資格で本当に役立った資格を紹介しました。
特にFP3級は他業界の資格と思っていましたがすごく役に立ちました。
何かの資格やスキルアップを目指している場合はこの記事を参考にして資格取得に向かってみてください。
オススメの資格を取得してスキルアップを目指したり収入アップを目指してみてください。
私の経験ですが、資格を取ったり研修を受講して知識が付けば実務の中で一人で悩むこともかなり減りますよ。
知っていることが多いとすごく役に立ちます。