老人ホームへ入所するのための必要な知識。老人ホームの種類と入所時の対応を解説!
突然の入院や突然の退院で施設入所を検討しなければならない方がすごく多くなってきています。
突然のことで何をどうしたらいいのかなど悩まれる方も多いです。
この記事では施設入所のための手順を理解してスムーズな手続きができるようになればと思います。
また、各施設の種類と入所の際の対応方法も紹介しています。
病院のソーシャルワーカーやケアマネジャーと話をする際にスムーズに話ができるように説明していますのでぜひ読んで役立ててください。
施設入所のための必要な準備
- 本人の施設入所の意向の確認
- 要介護認定の確認または申請
- 入院中の治療内容、退院後の対応の確認
- 必要な介護内容の確認
本人の施設入所の意向の確認
施設入所に伴って本人の意向は必ず聞いておいてください。
中には「施設を嫌うので本人には秘密にしています。」と話される方も多いです。
しかし、施設へ住むのは本人ですので本人の意向無くしては入所することは難しいです。
施設からも確実に「本人の意思は確認していますか?」と問われます。
要介護認定の確認または申請
要介護認定結果が出ているかどうかで施設の入所判定までのスピードが大きく異なります。
そのため認定結果が出ていればそれを確認してください。
要介護認定の申請がまだでしたら施設入所申込を取り寄せる前に申請をすることを強く勧めます。
要介護認定は結果が出るまで約1か月かかります。早めに申請することでこの後の動きがスムーズになります。
入院中の治療内容、退院後の対応の確認
現在の治療内容を把握し、施設に入所した際に必要になる治療を確認してください。
施設によっては対応できないことがあります。
例えば、胃ろうや喀痰吸引、在宅酸素など様々な医療行為があります。
必要な介護内容の確認
施設に入った際に想定される介護内容を把握しておきましょう。施設申込みの際には現在の身体状況を記載する必要があります。
例えば、排泄の対応や食事に支援が必要なのか、移動は車いすなどを使用して介助を受けているかなどの介護内容を把握できるようにしておきましょう。
施設の種類について
- 老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 老人保健施設
- 有料老人ホーム
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 老人保健施設
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 有料老人ホーム
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
施設の大まかな類型をまとめています。
老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
通称「特養」と呼ばれており、以前は「特別養護老人ホーム」と言われていた施設です。
入所できる方は65歳以上で要介護3~5の認定を受けている人を対象とした生活施設です。
生活するための施設であり、医療行為が必要な方などは対象外となるケースが多いです。
生活することが中心になりますので介護職員の配置が多く、生活全般の支援が手厚くなっています。
料金は様々な補助があり結果的に一番安く入所できる方が多いです。
最近ではほとんどが個室となっており、料金の安い多床室は少なくなっています。
多床室を狙っている場合は競争率が高いことが多いです。
- 要介護3~5の方が入所可能
- 生活の場としての施設
- 外部の介護サービスは利用できない
- 医療行為が必要な場合は入所できない可能性もある
- 介護職員の配置が多い
- 費用が比較的安価(補助制度が充実)
- 個室が多い
老人保健施設
老人保健施設は、「老健」と言われている施設です。
老健の目的は要介護高齢者の自立支援と家庭への復帰を目指す施設です。
例えば、入院した後、直接自宅に退院することに不安があるケースも多いです。そのような場合、一旦入所してリハビリテーションを受けて自宅へ帰るといったケースがあります。
施設にもよりますが、3か月から6か月の入所期間となる方が多いです。
老健に入所できる対象の方は要介護認定を受けていて要介護1から5の認定を受けた方が利用できます。
自宅へ帰ることが目的であるため、リハビリテーションに重きが置かれています。
そのため、作業療法士や理学療法士の配置が他の施設と比較して手厚くなっています。
費用は様々な補助があったり部屋代が安くなることもありますので確認していく事が必要となります。
特養と老健は比較的、費用を抑えられることが多いです。
- 要介護1~5の方が入所可能
- リハビリテーションを受けるリハビリ施設
- 目的が在宅復帰
- 外部の介護サービスの利用はできない
- 医療行為が必要でも比較的入所はしやすい
- 看護師、リハビリ職の配置が多い
- 費用が比較的安価(補助制度が充実)
- 個室、多床室などある
有料老人ホーム
有料老人ホームは民間企業が運営をしています。施設によりサービスが様々で各施設によって特徴があります。
有料老人ホームについての記事はコチラ
基本的には高齢者が安心して暮らせるように設計された住まいで心身の健康を保ち、生活を安定させることを目的として、食事、介護、家事、健康管理などのサービスを提供しています。
費用などを中心に今後の人生設計のために十分に検討していただきたい施設です。
有料老人ホームは大きく分けて以下の類型があります。
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホーム
介護サービスがついており、生活全般、介護全般に安心できます。しかし、外部の介護保険サービスなどを使えないといった制限もあります。
入居すれば今まで使っていた訪問介護や通所介護等のサービスが使えなくなります。
比較的、要介護状態が高い方に向けられる施設です。
住宅型有料老人ホーム
自立した高齢者や軽度の介護が必要な方が対象で、必要に応じて外部の介護サービスを利用することができます。
サービス付き高齢者向け住宅
「サ高住」と言われることがある施設です。有料老人ホームに何かしらの介護保険サービス事業所が併設されています。
住宅型有料老人ホームにサービス事業所が併設されているので【サービス付き】という名称になっています。
施設として、併設サービスを利用してもらうことで利益を出す構造になっているので併設サービスを利用していくことが暗黙の了解になっていることが多いです。
その代わり、部屋代が安くされていたり、生活にかかる費用が割安のことも多いです。
併設事業所は「通所介護」「訪問介護」「訪問看護」など施設によって大きく異なります。
使いたいサービスが併設されている施設を選ぶことも重要となってきます。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症の高齢者が家庭的な環境で共同生活を送りながら、日常生活の支援や機能訓練を受けるための施設です。
入所できるのは要介護1から要介護5までの認知症の診断がある方のみです。
また、住所の要件があり、入所される方の住民票がある市区町村のグループホームしか入所できません。
グループホームは1つの共同生活住居に5~9人の少人数の利用者が、介護スタッフとともに生活をします。
グループホームの建設は5~9人のユニットが最大3つまでと規定されています。そのため定員が少ないので空かないことも多いです。
共同生活の場でもあり、地域とのつながりなどをより重要視しており、その人らしく、地域に根付いた施設運営を目指している施設が多いです。
介護保険を使いますが民間企業が運営しています。
費用が特養や老健と比較して高いことも多いので費用については良く調べながら検討していくことが必要となります。
グループホームにもよりますが、介護が必要になった際には他の施設を検討される方が多いです。
- 要介護1~5の方で認知症の診断がある方が入所可能
- 住民票の住所が施設のある市区町村の方のみ
- 日常生活の場
- 介護職員の配置が多い
- 医療行為が必要な場合は入所が難しい
- 少人数で生活
- 地域とのつながりを大切にしている
- 費用は比較的高め
施設入所対象者一覧
特養 | 老健 | 介護付き有料 | 住宅型有料 | サ高住 | グループホーム | |
要介護要件 | 3〜5 | 1〜5 | 1〜5 | なし | 場所による | 1〜5 |
医療行為の可否 | 要相談 | 要相談 | 要相談 | |||
利用料金 | 安い | 安い | 高め | 場所次第 | 場所次第 | 高め |
認知症の有無 | △ | △ | ◎ | |||
個室、多床室 | 両方有り | 両方有り | 個室 | 個室 | 個室 | 個室 |
生活の自由度 | △ | △ | △ | ◎ | △ |
まとめ
施設入所を考えられている方の状況に合わせて施設を検討していく事が重要となります。
また、施設の種類によって費用も大きく変化します。
これからの生活をどうしていきたいか、どんな風に過ごしたいかを十分確認しながら施設を選ばれるようにして下さい。
良い施設探しの参考にしていただければ幸いです。